ALTの直接雇用 ― 教育委員会の皆様へのご案内

外国語指導助手(ALT)を直接雇用するための、実務的なご案内です。雇用の方法、関係する制度、そして適切な人材の見つけ方・選び方をまとめています。

まず、選択肢について

ALTを学校に迎えるには、どのような方法がありますか?

主な方法は3つあり、いずれも「誰がその教員を雇用するか」が大きく異なります。

  • JETプログラム ― 国の事業を通じて招致され、自治体が特別職の地方公務員として任用します。安定しており支援体制も整っていますが、年度ごとのサイクルで運用され、配属される人材を選ぶことはできません。
  • 派遣・請負会社の利用 ― 民間企業が教員を手配し、募集や事務手続きを代行します。迅速ですが、ALTはその会社の従業員であり、自治体の職員ではありません。
  • 直接雇用 ― 教育委員会自らがALTを雇用します。多くは会計年度任用職員としての任用です。人材を選び、条件を定め、学校は他の職員と同じようにALTと直接やり取りしながら、継続的な関係を築けます。その一方で、募集や雇用に関する事務はご自身で担うことになります。

これまで多くの自治体がJETや派遣に頼ってきたのは、直接雇用では「人材の確保」が難しかったためです。その状況は変わりつつあります。直接雇用を希望するALT ― その多くはすでに日本に住み、ALTとしての経験を持つ方々 ― が、都道府県ごとに自らの希望を示せるようになってきました。ALT Directは、まさにそのためにあります。

運営者の体験から

J・ウイットマン ― 北海道で直接雇用されているALT、ALT Direct運営者

直接雇用ではなかった頃は、ご依頼の内容によっては、対応する前に、まず会社に確認しなければならないことがありました。仕方のないことですし、そういう仕組みなのですが、いつも理想的とはいきませんでした。直接雇用になってからは、学校がそのまま私に声をかけてくださり、その場で必要なことにお応えできます。そうして近くで関わるうちに、学校のみなさんとの間に確かな信頼関係が少しずつ育っていく ― そのことに、私は大きなやりがいを感じています。

なぜ直接雇用か

直接雇用はJETプログラムとどう違いますか?

両者は目的が異なり、多くの自治体が併用しています(ある学校はJET、別の学校は直接雇用というように)。

JETプログラムは、CLAIR(自治体国際化協会)を通じて運営され、3つの省庁が関わる国の事業です。自治体はALTを特別職の地方公務員として任用しますが、募集・選考や、研修・相談員・全国的なネットワークといった支援体制の多くを担ってもらえます。安定しており支援も手厚い一方、参加者の多くは海外から招致され、配属は年度のサイクルに従い、個人を自治体が選ぶことはできません。

直接雇用では、選考は自治体の手に委ねられます。人材を選び、条例の範囲で条件を定め、学校をよく知る人と年度を越えて継続的な関係を築けます。また、すでに日本に住み、ALTの経験を持つ候補者を対象にできます。その代わり、募集や雇用の事務(ビザ・報酬・契約など、後述の質問で触れる点)はご自身で担います。

自治体で対応できるか

直接雇用にはビザ(在留資格)が必要ですか。教育委員会が手続きできますか?

いずれもはい、そして十分に確立された手続きです。公立学校で教える外国人ALTは通常、在留資格「教育」を保持します。直接雇用の場合、教育委員会が雇用主(受入機関)として、地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書(COE)を申請し、候補者はそれをもとに在留資格を取得または変更します。これはJET参加者についても自治体がすでに行っている仕組みで、出入国在留管理局にとっても見慣れたものであり、特別な手続きではありません。

主な要件は明確です。候補者が学士号または短期大学などの学位を有していること、そして雇用契約で職務・勤務地・報酬といった条件が明確であること。内容の整った直接雇用契約であれば、審査で求められるものは満たされます。

実務上、負担を軽くする点があります。直接雇用を希望する方の多くは、すでに有効な在留資格を持って日本に住んでおり、現にALTとして働いている場合も少なくありません。その場合、海外から呼び寄せるのではなく、勤務先の変更や在留期間の更新を支援する形になり、より簡便です。

個別の事案は出入国在留管理局や行政書士にご確認いただくのが確実ですが、手続き自体は標準的で、多くの自治体が日常的に行っています。

運営者の体験から

J・ウイットマン ― 北海道で直接雇用されているALT、ALT Direct運営者

私自身、これまで何度か勤務先の変更や在留期間の更新を経験してきました。今では手順にも慣れ、申請は自分で行っています。これは、すでに日本で暮らし、手続きを理解しているALTにとっては自然なことです。学校側にお願いするのは、必要な書類をご用意いただくことくらいです。

候補者の現在の在留資格によって、提示できる条件は変わりますか?

変わることがあるため、早めの確認をおすすめします ― そしてそれは、しばしば自治体にとって有利に働きます。在留資格は大きく2つに分けて考えられます。

  • 就労に制限のないもの。 すでに日本に住む方の中には、特定の仕事に縛られない在留資格を持つ方が多くいます(例えば、日本人の配偶者など)。こうした方は、勤務時間や雇用形態を双方の合意で自由に決められ、教育委員会によるビザのスポンサーは一切不要です。
  • 業務そのものに結びつくもの。 例えば在留資格「教育」のALTは、その教育の業務ゆえに資格を保持しているため、その在留資格を支えるだけの実質的な内容(報酬や勤務時間の点)が必要です。

制度は随時変わるため、個別の状況は出入国在留管理局や行政書士にご確認ください。

会計年度任用職員として直接雇用する場合、報酬はどのように決まりますか?

報酬や手当は自治体ごとに異なり、提示される職の種類によっても変わります。各教育委員会がご自身の予算と条例の範囲で定めるものであり、一律の金額があるわけではありません。自治体ごとにご予算のご事情があるのは、当然のことです。

そのうえで、外国人ALTについて一つだけ知っておくとよい制約があります。それは報酬の水準の話ではなく、在留資格(ビザ)の仕組みから来るものです。本人の在留資格(例えば「教育」)がその職に支えられている場合、出入国在留管理局は、勤務時間や報酬を含めて、本人が日本で安定して生活できる内容かどうかを確認します。そのため、ごくわずかな時間数・低い報酬の職だけでは、その在留資格を単独で支えられない場合があります(本人に他の収入がある場合や、就労に制限のない在留資格をお持ちの場合は、この限りではありません)。

最も大切なのは ― ALTにとっても教育委員会にとっても ― 職務と在留資格が無理なくかみ合っていることです。両者がかみ合えば、本人は腰を据えて働くことができ、教育委員会も、直接雇用が本来もたらす安定した継続的な配置を得られます。

実際に進めるために

直接雇用には何が求められ、その価値はありますか?

直接雇用には確かに相応の責任が伴います。正直に整理しておきます。

  • 雇用主になること。 ビザのスポンサー、契約、給与支払いが、プログラムや会社ではなく自治体に委ねられます。実際には標準的で確立された手続きであり(ビザと報酬の質問で説明しています)、それでも確かにご自身の責任となります。
  • 募集はご自身で行うこと。 適切な人材を見つけ、選ぶ必要があり、配属を受けるよりも手間がかかります。多くの自治体が最も難しいと感じる部分であり、当サイトはまさにこの負担を軽くするために作られています ― その地域で直接雇用を希望している方を可視化することで。
  • 継続性は関係性に支えられること。 ALTが離れた場合、プログラムが自動的に補充するのではなく、改めて募集することになります。一方で、直接雇用はむしろ継続性を高める傾向があります。その地域を選び、学校をよく知り、確かな関係を築いた人ほど、長く勤め、より深く関わってくれます。

いずれも小さくはありませんが、特別なものでもありません。人を雇用するうえでの通常の責任であり、自治体が日常的に担っているものです。その対価として得られるのは、他のルートにはないもの ― 誰を迎えるかを選び、職務を形づくり、自分たちの裁量で永続的な関係を築けることです。多くの学校にとって、その裁量と継続性こそが、手間をかける価値となります。

直接雇用のための候補者は、どこで見つけられますか?

ここが直接雇用の正直な勘所です。ビザや報酬は道筋が確立していますが、本当に大変なのは「適切な人を見つけること」です。JET・派遣会社・一般の求人サイトには、それぞれの持ち味がありますが、「自分の地域で、いま直接雇用を望んでいる人」を示してくれるものはありません。

当サイトは、まさにそのためにあります。ALTが都道府県ごとに、匿名で希望を登録するため、教育委員会はその地域の需要をそのまま見て取れます。その多くはすでに日本に住み、ALTの経験がある方々です。直接雇用の求人を出すと、その地域に登録していた方々に通知が届き、候補者は貴委員会の正規の手続きを通じて直接応募します。当サイトが個人を仲介したり手数料を取ったりすることはなく、需要を可視化し、候補者から声をかけてもらえるようにするだけです。

運営しているのは人材会社ではなく一人のALTであり、有志による非営利のコミュニティの取り組みです。

貴委員会の地域の現在の希望状況を見る →

運営者の体験から

J・ウイットマン ― 北海道で直接雇用されているALT、ALT Direct運営者

ALTとして、私はいつも同じ壁にぶつかっていました。直接雇用の求人は無数の自治体サイトに散らばっていて、意識して探していても見逃してしまう。そしてふと思ったのです ― 私のような候補者が見逃すのなら、良い人材を求めている教育委員会も、同じように候補者を見逃しているのではないか、と。このサイトは、その両者がようやく出会える一つの場所として作りました。

教育委員会は、どのように適切な候補者を選べばよいですか?

直接雇用の選考は、十分に対応可能です。実際に役立てられている工夫をいくつかご紹介します。

  • 面接に経験豊富なALTに同席してもらう。 すでに在籍するALTは、授業でのコミュニケーションや、既存のチームへのなじみ方を見極める助けになります ― 採用担当だけでは得にくい視点です。
  • 必要に応じて、短い日本語のやり取りを取り入れる。 日常生活や学校環境にどの程度なじめそうかを見るために取り入れる自治体もあります。あくまで任意で、職務の内容次第です。
  • 照会先(リファレンス)を確認する。 すでに日本でALTとして働いた経験のある候補者は、以前の学校からの確かな照会先を持っていることが多く、適切な選考の裏づけになります。

運営者の体験から

J・ウイットマン ― 北海道で直接雇用されているALT、ALT Direct運営者

日本各地の学校で先生方とともに働く中で、これらは、教育委員会がうまく選考するために用いているのを実際に見てきた方法です。どう選考するかは、それぞれの学校が本当に必要としているものに合わせて決めていただくものです。ただ、経験のある候補者ほど判断材料が多くなります ― 実績、確認できる照会先、そして実際の授業での力量が、より確かな手がかりになります。

教育委員会向けFAQ — ALTの直接雇用について | ALT Direct